(2018/04/03記載)
※本レビューは「シート・設備編」と「機内食・ワイン編」に分けて掲載します。
2018年3月下旬、アメリカ・ヒューストンへ移動する際に利用した。
今回は成田<=>ヒューストンの往復であったが、折角なので往路は全日空便、復路はユナイテッド航空便を利用し、その差を体感することにした。
機体はB773。
全日空の長距離ビジネスは4年程前にサンフランシスコやワシントンDCへの移動の際に、当時の「New Style Club ANA」を利用したのが最後でそれ以降は日本航空やカタール航空等のワンワールドへ移行。
今回はその後リニューアルされた「ANA BUSINESS STAGGERED」を楽しみに機内に乗り込む。
さてシートだが、コーポレートカラーの青で統一されており、全席通路アクセスがウリで、全13列、配列には変則的な1-2-1配列の計52席。
大きく2つのコンパートメントに分かれており、前側はファーストクラスのすぐ後ろに2列、他の11列は通路を挟んで後ろ側にある。
スタッガード配列のため、同じ窓側のソロシートでも座席が窓側にある席と通路側にある席がある。
同様に中央の2席についても座席が通路側となる席と機体中央部側になる席がある。
これらはシートマップを見れば一目瞭然だが、ソロシートについてはAとKが窓側にシートがあるタイプでCとHが通路側にあるタイプ。
機体中央席はEとFが機体中央部にシートがある席、DとGが通路側にあるタイプ。
こちらが中央席の通路側D席。
写真ではわかりにくいが、座席のすぐ横が通路となっている。
通路へのアクセスはしやすいが、その分プライバシーは犠牲になっている。
そしてこちらが同じく中央席の通路とは反対側に席のあるF席。
通路側にはテーブルが設置されているため、通路を行きかう人をあまり気にしなくても大丈夫。
今回はフライトが混雑していることもありソロシートが取れず、また、中央席の中央よりのシートはビジネスクラスの最後列17列目のF席しかなく、そちらを指定した。
結果としては、こちらのシートはビジネスクラスコンパートメントの最後列ということ、またビジネスクラス用の後方トイレのすぐ近くということもあり、できればあまり利用したくない席。
さて、機内に乗り込んで着席した第一印象は「思っていたよりも広い」であった。
横幅は二席分ありかなりゆったり。
見た目では分からないがシートピッチは200センチ弱はありそうな印象。
とは言え、カタール航空B777系を基準としてしまうとやはり圧迫感はある。
一方で、隣の席を完全に遮断するデバイダーこそないものの、隣席と物理的に離れているということもあり、プライバシーの確保度合いについてはカタール航空のB777系よりも遥かに良い。
日本航空のスカイスイート2に近いイメージだが、それよりもシートピッチが若干あるようなイメージで、実際に席に座ってみるとそのプライベート感に驚く。
通路側にはテーブルがあるので座席一つ分ほどの空間がある。
このサイドテーブルは他社のどのシートよりも広く、日本航空のスカイスイート3の中央席と比較した場合、3倍弱はありそう。
大型ノートパソコンを置いても十分な余裕がある程。
また、隣席とも同様にテーブル一つ分ほど距離があり、かつデバイダーのお陰で存在が全く気にならない。
さて、シート周りだがサイドテーブルがかなり大型と言うこともあってか、小物入れはあまりない。
唯一あるこちらの小物入れはメガネケースを入れられる程度で少々物足りない。
前方も基本的には何も見えないが、隙間から若干前のシートの様子が伺える。
通路への出入り口だが、エティハド航空のA340のような窮屈感はなく、楽に出入りが出来るとまでは言えないが十分なスペースは取られている。
シート幅も十分で窮屈感は全く感じない。
1人移動であれば文句なしにソロ席のAかK、そこがなければプライベート重視の場合は中央席のEかF、窓側がよければソロ席のCかHというチョイスになりそう。
ドアが閉まる直前でウェルカムドリンクのサービスが行われた。
こちらは米国路線という事も影響しているのか、プラスチック製のグラスであった。
サイドテーブルに仕込まれている青いライトがシャンパンにきれいに反射する。
シートの調整やエンターテインメントなどのコントローラーはこちらに集約されている。
シートの調整は思ったほど細かくは出来ない。
オットマンが設置されていることもあってか、基本的にそちらを使うという前提なのか?
エンターテインメントのコントローラーは他社同様にひじ掛けの中に収納されている。
コントローラーのサイズはカタール航空のB787やA350XWBと同様だが、液晶の大きさはかなり小さく表示できる情報も少ない。
シートをフルフラットにした状態から起き上がるとき用に、こちらにもシートの調整スイッチが設置されている。
なお、ひじ掛けはこのように跳ね上げることも出来る。
就寝時には跳ね上げたほうが腕の邪魔にならずによい。
テレビのサイズは他社ビジネスクラスと比較しても遜色なし。
タッチパネルにもなっているで、リモコンでなくとも操作可能。
なお、テレビの右上には食事用のライトのスイッチがある。
そのタッチパネルの下にはUSBコネクタやコンセントが配されている。
メインテーブルだが、ディスプレイの下から引き出すタイプ。
両サイドの部分を左右に展開するとかなり大きなメインテーブルが完成する。
この位置であれば通路への出入りに体がギリギリ干渉しない。
写真ではわかりにくいが、食事の際にはもう一段階引き出して使う。
ベッドはもちろんフルフラット。
また就寝前には自身で行う必要があるが、簡易マットレスを引くこともできる。
フルフラットにした際のシートピッチは文句なしで頭もしくはつま先がシートに届くこともない。
一方でスタッガードという構造上、足元は前席の横に入るため、上下左右の足の動きに制限が出る。
ベッド状態は完全に前方がフリーになるカタール航空のB777系に軍配があがる。
実際に席に座るまでは中央席については隣席との距離感など、プライバシーについてかなり気になっていたが、実際に乗ってみるとその心配は全く無用であった。
特に座席が中央側に設定されているEとF席についてはもはや完全に独立した席という感じであった。
一方で、夫婦やカップル、友人等と一緒に利用する際には中央席であってもデバイダーが邪魔をして会話をすることが難しいほど。
このような難点を考慮してか、一部の機体では中央部にあるデバイダーをスライドさせて無くすことの出来る座席が設定されているとの事。
限られた席のみスライドさせることが可能らしく、事前にHPで確認してから該当する席で予約するのが良いかも知れない。
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