ユナイテッド航空ビジネスクラス ヒューストン~成田 007便 B772=シート・設備編= (2018/04)



(2018/04/11記載)
※本レビューは「シート・設備編」と「機内食・ワイン編」に分けて掲載します。

2018年3月下旬、アメリカ・ヒューストンから日本への移動の際に利用した。
ユナイテッド航空は最近ビジネスクラスのシートを一新し、最近のスタンダードである1-2-1配列に順次機材を更新しているが、残念ながらヒューストン路線は未だ旧機材。


今回はこちらのB772での移動。
アメリカの航空会社は搭乗の順番がかなり細かく分かれており、全部で5つのゾーン(Zone)に分かれており、ステータス・アサインされている席の場所によって自身のZoneが異なる。
今回はビジネスクラスでの移動であったのでZone1であった。


機内に入ると目の前に広がるのは2-2-2配列のシート。
成田~ヒューストンはANAの1-2-1配列のスタッガード配列シートであったので、そちらと比較するとかなりの圧迫感がある。


シートはピッチ自体は窓3枚分ありそうだが、ディスプレイがかなり手前に配置されているので、実際のピッチは窓2枚少々と他社のビジネスクラスに比べて少々狭い印象。


シートにはニューヨークの有名なデパート「Saks Fifth Avenue(サックス・フィフスアベニュー)」とコラボしている寝具が置かれている。
こちらの寝具、なかなかよい出来栄えで、持ち帰ってしまう人が多いためか、持ち帰り禁止の案内書きがされている。

さて、実際に座ってみるとシートの幅自体は思っていた程は狭くなくそこそこある。
が、2-2-2配列の最も辛い「プライベート感」は、やはり1-2-1配列と比較するとかなり劣ると言わざるを得ない。


カタール航空のB777系と同様にセンターコンソールに共用のテーブルが設置されている。


しかし、この共用テーブルが小さいこともあり、中央のデバイダーがそれなりに機能し、そこそこのプライベート感を保っている。
カタール航空のB777系とは違いデバイダーがある程度前方まで出ていることもあって、2ー2ー2配列でもそこまでの開放感は感じない。
また、座席が機体に垂直ではなくわずかに斜めに配列されていることもあって、隣席とは若干斜めにずれる感じがある。
よって真横に人がいるという感じではないが、それでもANAのスタッガード配列シートと比較するとプライベート感はかなり劣る。


シートピッチはそこそこあるが、足元部分が前方席の横に入るタイプということもあり、オットマンに足を乗せた際に動かせる範囲にかなり制限がある。
また、フルフラットにした際にも動かせる範囲が少なく、少々窮屈感を感じる。


テレビの下にはちょっとした小物置きがある。(非稼働式)
普通に席に座っていると手を伸ばしても届かない距離にあり一見使いにくい感じもするが、実際には眼鏡ケースやヘッドホンケースなどのあまり使わないけれども手元に置いておきたいものをストックするのに便利。


また、斜め配列のシートという事もあり、テレビの下の小さなテーブルなど、一部設備は座席によってサイズが異なっている。
写真ではわかりにくいが、右側の席(E席)の方が若干テーブルサイズが大きい。

その他小物置きや電源コンセントなどのユーティリティだが、2-2-2配列という事もありどうしても十分な場所を確保できていない。


こちらは座席の右側後方にある小物置きスペースと各種コンセント。
USBとインターナショナルタイプのコンセントを設置している。


マルチメディアコントローラーは座席のセンターコンソール側に設置されている。
液晶サイズも小さく、一昔前のタイプのもの。


シートコントローラーはセンターコンソールに設置されている。
調整できる箇所はかなり限られており、ベッドモードかアップライトモード、他にはフットレスト・背もたれの上げ下げ程度。
また、アイコンが非常にわかりにくく、どれを押したらどれが動くのかは実際に何度か試してみてようやく覚えられた。

テーブルはカタール航空のB777系と同様にセンターコンソールから引き出して使うタイプ。


こちらの把手を上に引き出す。


テーブルは半分のサイズとなっている。


この状態でもサイドテーブル的な感じで使う事が出来る。
なお、写真右下に写っている金属の部分は後で「ある機能」を使う際に使用する。


こちらが広げた状態。
横幅は十分だが、奥行きはカタール航空B777系と比較すると少々小さい印象。


こちらがテーブルクロスを敷いた状態。


このタイプのテーブルの弱点は、センターコンソールと反対側に支えが無いため、少し力を掛けると斜めになってしまう事。
先ほどの金属部分を写真のように出すことによって支えとなり、その弱点を克服している。
これは他社のシートでも導入して欲しい機能。
なお、この機能を使うためには、準備したテーブルを少し手前に引かないと支えがひじ掛けに引っかからないので要注意。


ベッドはフルフラット。
シートピッチ自体はしっかりあるので窮屈感があるわけでもなく、シート幅もしっかりある。


しかし、やはり予想通り足の先の部分のスペースが狭いこともあり少し動かすとすぐに当たってしまう。

1-2-1配列と比較するとかなりプライベート感が無く、また同じ2-2-2配列のカタール航空のB777系と比較するとシートピッチも物足りない。
その影響もあって、二人がけの窓側席は出入りがかなり厳しい。
通路側席で寝られていると足をまたいで出るのは結構厳しい。

2-2-2配列という事もありどの席が一番良いかというのは難しいが、一人での移動の際は中央席の席が通路へのアクセスも良く、またシートが斜めに配列されていることもあり、座席自体がE席よりも若干後ろ側に配置されているD席が一番良いかも知れない。

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