(2018/03/01記載)
2018年2月に機内を見学する機会に恵まれたので、その際の全キャビンのレビューとともに、各クラスの機内食のレビューを掲載。
食事については実際の機内ではなく、某所にてケータリング会社のシェフの説明を受けつつ見学、実食をさせて頂いた。
今回は同便のビジネスクラスで実際に提供されてる和食・洋食から好きなものを試食できるという事であったので、シンガポール航空が力を入れているという「和食」をセレクト。
メニューは以下の通り。
「花恋暦」
~一の重~
先付(干し柿とイクラの大根膾)
向付 (平目の昆布〆)
口取り (鰊昆布巻 サーモン砧串打ち 栗茶巾絞り 千代呂木 南天)
麺 (細うどん 小海老天ぷら 青葱 卸し生姜 刻み海苔 麺汁)
~二の重~~
焼き物 (キングサーモン西京焼き)
炊き合せ (鴨治部煮 共地餡 天蕪 京人参煮 鴨団子 九条葱 柚子)
和え物 (蟹、舞茸、ピーマン、芹のお浸し)
御飯 (鶏そぼろ御飯 玉子そぼろ 三つ葉)
香の物 (香の物)、留椀 (お味噌汁)
水菓子 (柚子ムースケーキ クレーム・シャンティとともに)
こちらのメニューは京都の料亭「菊乃井」のシェフ、村田吉弘氏による特別創作料理という事で、担当するケータリング会社のシェフが何度も実際に京都まで足を運んで村田氏の監修を受けたとのこと。
さて、食事が始まる前にまずはシンガポールらしく「サテー」から。
こちらはビジネスクラス以上の機内で提供されるとのことだが、実際には日本では作らずシンガポールで作ったものを提供しているとのこと。
よって、日本発便についてはシンガポールから必要量を搭載して機内で温めて提供されるため、今回はその味をケータリング会社のシェフが再現したものを頂いた。
シンガポールで頂いたサテーと同じく、肉にしっかりとスパイスが染みていてピーナッツベースのソースととても合う。
タイガービールと一緒に頂ければ気分はシンガポール。
その後実際に和食の提供が始まったが、まずは一の重が運ばれてきた。
重箱の中は細かく仕切られており、機内ではそれぞれの小箱を組み合わせてキレイに盛り付けをしてから乗客に提供しているとのこと。
立体感があり、見た目もとても美しい。
お刺身用の醤油は液体のままだと機内でこぼれる可能性もあるので、若干の出汁を加えたうえでゼリー状にして提供されている。
とても細やかな配慮がシンガポール航空のおもてなしを感じさせる。
続いて二の重が提供された。
一の重が先付など、比較的軽く一口で頂ける料理中心であったのに対して、こちらは焼き物やご飯などの比較的しっかりしたものが盛り込まれている。
こちらについても、機内には各料理毎に分けて搭載、温めるものは温めた後に重箱にセットして提供しているとのこと。
炊き合わせや和え物はとてもレベルが高く、また香の物は盛り方がとても繊細。
ご飯は機内で炊き上げるのではなく、冷めたものを温めての提供ながら水っぽさも少なくレベルが高い。
器の数的には2つではあるが、それぞれ種類が豊富なこともあり、昼食という意味ではとてもボリュームがあり満腹になる。
この後はデザートの提供であったが、洋食で提供されるパンも試食させて頂けた。
機内ではグリッシーニやフランスパンなど、8種類のパン類を提供しているとのこと。
多くの航空会社のビジネスクラスでは事前に各個人に盛り付けの上提供していることが多いが、こちらはレストランのように機内で乗客に選んでもらうスタイル。
ファーストクラス並みのサービスをビジネスクラスで提供するこだわりを感じることが出来た。
そしてこちらがデザート。
柚子の味わいが強めに感じられ、ケーキ自体の甘味も抑えられており、食後のコーヒーとともにあっという間に平らげてしまった。
今回は機内での実食ではないのでサービス面からの判断はできないが、ビジネスクラス・昼食という部分からはトップクラスだと感じた。
羽田~シンガポールの同路線日中便は日本航空ビジネスクラスを利用したことがあるが、そちらと比較するとボリューム感は同等ながら、盛り付けや見た目の優雅さはシンガポール航空の方が上だと感じた。
さて、ビジネスクラスの料理を実食の後は、他クラスの料理のチェックおよび実食をさせて頂いた。
まずはファーストクラスから。
ビジネスクラスと大きく違うのは提供方法。
全ての料理が陶器で提供されており、料理のレベルもさることながら見た目からもビジネスクラスよりも高級感を感じる。
なお、使用している陶器はナルミ製とのこと。
但し、器には「Singapore airlines」の表記しかなく、カタール航空のように「Narumi exclusive for Qatar airways」の表記はされていない。
デザートメニューもビジネスクラスとは大きく異なる。
「ケーキ」のようなお皿に移動してすぐに提供できるものではなく、一つ一つをしっかりと器に盛り付けてから提供するタイプ。
なお、ワインについては試飲はできなかったが、ビジネスクラスでは泡1・白2・赤3を提供しているとのこと。
泡は「Charles Heidsieck Brut Reserve NV」(市価5000円程度)。
白はドイツの「Weinhaus Ress Riesling」とフランスの「Albert Bichot saint veran」。
白は両方とも日本での正規流通はなし。
赤はフランスの「Chateau Siaurac Lalande-de-Pomerol」(市価3000円程度)、同じくフランスの「Chateau Payrabon Haut Medoc」(市価2800円程度)、イタリアの「Marchesi de FRESCOBALDI NIPOZZANO RISERVA CHIANTI RUFINA」(市価3000円程度)の3種類。
ビジネスクラスのワインとしては標準的、もしくは少し高めのものを取り揃えているという印象。
こちらはファーストクラスで提供される「ブック・ザ・クック」の中の一つ。
搭乗24時間前までに事前にオーダーできるスナック的な料理で、シンガポール航空独自のサービス。
ビジネスクラスでもオーダー可能ではあるが、選べるメニューがファーストクラスとは異なる。
その後、プレミアム・エコノミーとエコノミークラスの料理も試食させて頂いた。
ワントレーでの提供ながら、それぞれボリューム感はたっぷり。
この便では鶏肉と豚・牛肉の料理から選択可能。
両方とも、サイドメニューとしてそうめんとサラダ、パンが提供される。
なお、プレミアム・エコノミークラス限定メニューとして、シンガポールのソウルフードの一つである「フライド・ホッケンミー」もある。
シンガポールの有名レストラン監修のもと作られたメニューとのこと。
実際に試食させて頂いたが、米麺と独特な調味料を使って作られたこちらのメニューは到着前からシンガポールにいるような気分になれる。
プレミアム・エコノミーを利用した際は絶対に外したくないメニュー。
またエコノミークラスでは宗教上の理由やアレルギー、子供用のメニュー等、様々な特別食を準備しているとのこと。
事前オーダーする事によって誰でも選択可能。
こちらはアジアンベジタブルミール(AVML)。
ナンもあり、なんとなくインド人向けの料理にも見えるが。
こちらは子供用メニュー。
パスタやクッキーなど、子供の好きそうなメニューがセレクトされている。
米国本土やヨーロッパ等の長距離路線ならまだしも、中距離路線でこれだけ充実しているのには驚くばかり。
また、誕生日やハネムーンなどの特別な時に利用した際には、事前予約をすることによってケーキを無料で出してもらえるそう。
提供の方法はクルーによって様々とのことだが、中には誕生日利用の際に予約をし、機内でハッピーバースデーの歌をクルーに歌ってもらったというエピソードも。
4クラス制の機体を飛ばしているというこだわり同様に、機内食についてもこだわりと高いクオリティーをもって提供している事を強く感じた試食会であった。
=今回紹介したお酒は以下のリンクから購入可能です!=
泡・フランス「シャルル エドシック ブリュット レゼルヴ」
赤・フランス「シャトー シオラック ララン ド ポムロール」
赤・フランス「シャトー ペイラボン オーメドック」
赤・イタリア「マルキージ デ フレスコバルディ ニッポツァーノ キャンティ ルルフィーナ レゼルヴァ」
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