名前:トリノ
場所:〒231-0064 神奈川県横浜市中区野毛町1-22-1
地図はこちらからどうぞ
交通手段:各線 桜木町駅 徒歩6分
営業時間:17:00~22:00 無休
また行きたい度:=☆☆☆=イタリア人シェフが魅せる洒落感抜群の焼鳥とイタリアンの融合
外部リンク:トリノの食べログへのリンク
備忘録:
(2025/10/07記載)
2025年9月中旬の平日に訪問。
こちらの店は「焼鳥が好きすぎてお店を始めたイタリア人オーナーが作る創作焼鳥の店」として以前から気になっていたが、なかなかの人気店で予約をするも満席という状況が何回か続いた。
それもあり、今回は早いうちから予約を入れて万全の体制で向かうことにした。
<お店の場所はどこ?>
お店は野毛の中でも非常に味のある都橋エリアにある。
このエリアは駅だとJR京浜東北線の桜木町と関内駅、そして京急線の日ノ出町駅の丁度中間地点となる。
今回は京急線で現地まで向かったが、駅を出て目の前の大通り「平戸桜木道路」を桜木町方面に進み、二つ目の信号のある交差点(野毛三丁目)で右折、そのまま川に出るまで直進し、川の手前で右折するとこちらのエリアに着く。
店舗は飲兵衛には有名な都橋商業ビルの向かいにあり、建物の一角を間借りしているというような感じ。

こちらが店舗外観。
コンパクトなお店ながら看板があったり店舗への入口が掃き出しの扉だったりと、入りやすい雰囲気ではある。
<混雑状況・店内の様子は?>
今回は金曜の19時に予約をしてお店へ向かった。
流石に金曜ということもあり、カウンター席7席と2名掛けと4名掛けハイチェアのテーブルが1卓ずつある店内は満席。
お店そのものは縦長の造りとなっており非常にコンパクト。
奥に向かってカウンター席が配されているが、奥の席にからの出入りはカウンター席の背中側を通る必要がありかなりタイトな感じとなっている。
落ち着いた雰囲気ながら程よく年季の入った店内は、ここが野毛であることを忘れさせてくれるおシャレ感もある。

こちらがカウンター席。
隣席との距離感はまあまあ近く、背中側が通路になっておりゆったりと食事をするという感じではないが、これはこれで野毛感がある。

入口側にはハイチェアの4名テーブルと2名テーブルがある。
こちらの方はカウンターよりも若干広い。
<オススメのメニューは?>
こちらの店は「焼鳥とイタリアンの融合」がテーマということで、メニューもなかなか面白い。
看板メニューは焼鳥9本のお任せと生パスタのようだが、逆にそれ以外はかなりメニューが絞られていて、あるのはレバーペーストとサラダ、そしてデザートとある意味オーダーに迷わない。
今回は気になっていた「焼鳥おまかせ9本(2400円)」をオーダー、飲み物は白ワインのボトルから「プーリア ビアンコ(4300円)」をセレクトした。
なお、以下がこの日のお任せ9本のメニュー。
・つくねのトマトソース和え チーズを添えて
・ササミとモッツァレラ
・タンドリーチキン
・せせりのバジルソース仕立て
・ぼんじりと生ハム
・アンチョビ バーニャカウダ
・もも肉の黒トリュフソース
・砂肝とブルーベリーのバルサミコかけ
・燻製鴨

こちらがメニュー。
非常に絞られており、「この店に来たら焼鳥とパスタ」という感じとなる。
居酒屋感覚で様々なものを食べたいというシチュエーションには向いていないが、ある意味潔くてオーダーする側も迷いがない。

そしてこちらがドリンクメニュー。
流石にワインの種類は充実している。
ただ、銘柄名が書かれていないため、具体的にどのようなワインが提供されるのかはオーダーしてみないと分からない。
席に着くとお通しの入った箱が提供され、その後オーダーしたドリンク類のサーブが始まった。

まずはお通しから。
このお通しがなかなか凝っており、鮮やかな色合いで描かれた箱の中にお通しが入っている。

この日のお通しはウナギとカイワレを使ったお通し。
カリカリっと仕上げられたウナギの食感が思いのほかワインとマッチする。

そしてまずは1本目の「つくねのトマトソース和え チーズを添えて」。
つくねそのものも何となくフリット感があるようなタイプで、トマトソースとパルメザンチーズの入った小さな器に入った状態で提供される。
そのトマトソースをつくねに絡めて頂く、和とイタリアンの絶妙なコンビネーションを楽しめる。

ワインを出す焼鳥店も多くあるが、こちらのお店はもはやピュアな焼鳥ではなく、普通にイタリアンと言われても全く違和感がない。

オーダーしたワインは「プーリア ビアンコ」という表現で書かれていたが、実際にはイタリアのテアヌムが作る「Castelli di Severino Puglia Bianco」(市価1200円程度)であった。
こちらのワインはトレビアーノをメインにファランギーナを加えたもので比較的しっかりとした味わい。
程よい甘味も感じられ、焼鳥に合わせても負けずバランスの良いもの。
市価のおおむね3.5倍となっており、こちらのお店はアルコール類の価格設定が少し高めという印象。

続いてはは「ササミとモッツァレラ」の串が提供された。
アッサリとした部位に濃厚なモッツァレラチーズが味わいにインパクトを加える。

そしてここでちょっとイタリアンから外れて「タンドリーチキン」の串が提供された。
程よいスパイス感のある手羽中をこんがりと焼き上げたもの。

続いては「せせりのバジルソース仕立て」という、これまた面白い串が提供された。
程よく脂のったせせりにほんのりバジルの風味が効いた特製ソースの組み合わせは斬新。

そしてこちらは「ぼんじりと生ハム」。
正直マッチングがあまりピンとこない中で頂いてみたのだが、想像以上に相性が良い。
ぼんじりの脂感と生ハムの塩味のコンビネーションが絶妙。

ここで一旦焼鳥の串はストップして、次に提供されたのが「アンチョビ バーニャカウダ」。
ブロッコリーやニンジンが串打ちされており、焼鳥で言うところ野菜串というような印象。
アンチョビがしっかりと効いたバーニャカウダソースが美味しい。

流石にブロッコリーとニンジンだけだとバーニャカウダソースを全て使い切れないので、串を食べ終わった後に自家製のラスクを提供してくれる気遣いが嬉しい。

そしてまた焼鳥に戻るのだが、続いては「もも肉の黒トリュフソース」が提供された。
こんがりと焼きあがったもも肉としっかりとしたトリュフの風味を感じられるソースの相性はかなりのもの。

そしてこちらは「砂肝とブルーベリーのバルサミコかけ」。
砂肝をブルーベリーと共に焼き上げそれをバルサミコソースで頂くというなかなか突き抜けた発想の串料理だが、これが意外と美味しい。
砂肝を一旦コンフィ状に仕上げてから改めて串打ちして焼き上げていることもあり、いわゆる砂肝のコリコリ感ははなく、外の部分はカリっとして中はしっとりという食感が面白い。

そして最後は目でも楽しめる「燻製鴨」の串が提供された。
目の前でスモークされた鴨肉を砂時計の砂が落ちるまで待ってから頂く。

スモーク仕立てということもあり、よく見る「合鴨のスモーク」のような肉にスモーク感が染み込んだような感じではなく、周りにフレッシュなスモークの風味をまとった鴨肉の串を楽しめる。
<まとめ>
今回は9本の串料理と白ワインボトルを1本、そして赤ワインのデキャンタをオーダーして2名で12000円弱、1名あたり6000円程度の仕上がりであった。
野毛という事を考えるとなかなか高価格帯ではあるが、こだわりのフュージョン焼鳥を楽しめるという点から考えればアリ。
また、箱に入ったお通しであったり目の前でスモークをして提供したりとビジュアルでも楽しめることや、ワンオペで営業しているイタリア人オーナーの軽快で絶妙なトークと気持ちの良い接客の中で食事が出来ることを考えれば十分価値のある価格帯。
今回のコースでは「つくねのトマトソース和え チーズを添えて」、「せせりのバジルソース仕立て」、「砂肝とブルーベリーのバルサミコかけ」などの和とイタリアンのコラボメニューが提供されたが、個人的に強く印象に残ったのは「ぼんじりと生ハム」と「もも肉の黒トリュフソース」の2本。
「ぼんじりと生ハム」は提供されたときのビジュアルとしては正直マッチングがあまりピンとこなかったのだが、実際に頂くと想像以上に相性が良い。
ぼんじりの脂感と生ハムの塩味のコンビネーションが絶妙で、なぜこの組み合わせを今まで誰も考えなかったのだろうというくらい美味しく、ワインにもマッチする。
そして「もも肉の黒トリュフソース」も同様で、こちらもこんがりと焼きあがったもも肉としっかりとしたトリュフの風味を感じられるソースの相性が非常によく、味わいにパンチもある。
アルコール類の価格設定が若干高めなのが痛いところではあるが、野毛の一風変わったオシャレ焼鳥店として定期的に通いたいお店であった。
「トリノ」に関連する投稿はこちらからまとめてご覧になれます






Leave a Reply