名前:鳥焼き 小花
場所:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿3-28-2 SP15 EBISU1F
地図はこちらからどうぞ
交通手段:JR線 恵比寿駅 徒歩10分
営業時間:完全予約制17:00・17:30~、20:00・20:30~ 毎週日曜日、第一・第三月曜日
また行きたい度:=☆☆☆☆☆=新鮮でこだわりのある鶏肉などを焼鳥ならぬ「鳥焼き」スタイルで提供する目も舌も満足させる予約の取れない隠れ家的な人気店
外部リンク:鳥焼き 小花の公式HPへのリンク
備忘録:
(2022/09/28記載)
2022年8月下旬の平日に利用。
こちらの店は予約困難なお店とのことで、知人が予約してくれた枠に同行させて頂いた。
調べてみると、焼き鳥の有名店「鳥しき」の店主が監修したお店のようで、お店の名前からもわかる通りいわゆる「焼き鳥」の店ではなく「鳥料理のお店」のよう。
席数もカウンター10席のみ、完全予約制で時間帯も17時・17時半もしくは20時・20時半の2部制になっている。
<お店の場所はどこ?>
お店はJR恵比寿の東口から恵比寿ガーデンプレイスに向かって進み、スカイウォーク(動く歩道)が切れた先の交差点を渡り右折。
くすの木通りを恵比寿ガーデンプレイスを右手に見ながら進み、交差点を渡った先3軒目にある。
トータルすると恵比寿駅の東口からは10分程度かかるが、そのうち半分は屋根のある動く歩道なので、実際に道を歩く距離という意味では300メートル程度。
とは言え、時間制の店なので公共交通機関で行く際には少し余裕を持った方が良さそう。
こちらが店舗外観の写真。
一見すると料理店というよりもギャラリーのようなオシャレな造り。
入口のガラスの向こう側に小さく「小花」の看板?があるのでそれでようやくこちらの店だとわかる。
知らない人ならば間違いなく通り過ぎてしまうような雰囲気。
<混雑状況・店内の様子は?>
完全予約制ということで、当然ながら店内は座席数のみの客しか入っておらず、我々は平日の17:30の部での予約だったが、17:00からの部で既に料理を楽しんでいる客が2組いた。
店内はトータル10席のみで、この日は2席のみが空きであった。
間接照明や飾り棚などでキレイに作りこまれた店内はまさにモダン和食割烹というようなイメージ。
席と席の間も窮屈過ぎず離れすぎずの加減で、全席カウンターということもあり、目の前で職人の焼きや盛り付けなどを見ながら料理やお酒を楽しむ事が出来る。
各席の料理にもスポットライトで照明が当たるようになっており、料理の見せ方の演出も流石であった。
こちらが店内の雰囲気。
間接照明等を使ってオシャレに仕上げられた店内はカウンター席のみ10席と、職人の目が行き届くちょうど良いサイズ感。
<オススメのメニューは?>
こちらのお店はコースメニューのみということで、食事が始まる前に職人さんの挨拶および苦手食材やアレルギーの確認だけされ、あとは完全にお任せコース(12800円)というスタイル。
HP等には料理の品数は約18品と記載されていたが、今回は前菜から甘味まで含めてトータル19品が提供された。
テンポ良く焼き上げて提供してくれるのだが、食事が終わることにはお腹がはち切れそうなほどのボリューム感であった。
また、一品一品が絶妙な火加減や味加減で仕上げられており、とても優雅に食事をすることが出来た。
こちらが飲物のメニュー。
ビール、日本酒、焼酎、ワイン等のアルコール類が一通り揃っており、銘柄も決してプレミアム系というわけではないがお酒好きなら納得のいくものが揃えられている。
ボトルワインのラインナップも豊富。
アメリ、フランスやイタリア等の色々なものが取り揃えられている。
価格帯だけ見るとそれなりの金額ではあるが、市価の1.5倍程度のワインも多数あり、この手の高級店にしてはかなりリーズナブルな金額で提供している印象。
そして追加のワインリストにはジョージアワインも取り揃えられている。
鶏料理ということで今回は日本酒を頂くことにしたが「日替わり各種」を聞いてみると、写楽・加茂錦・黒龍・白龍の4種類があるとのこと。
折角なのでまだ飲んだことのない「白龍」を頂いたが、磨きが9割という日本酒にしてはほぼ磨いていない米で作った日本酒ながら雑味やワイルド感は抑え目。
ただ、米の旨味や甘味等の味わいはしっかりと感じられ、なかなか美味しい日本酒であった。
まずは1品目。
鳥を使った巻き寿司ということで、ご飯の代わりに鶏肉を使ってきゅうりや大葉、生姜を巻いたもの。
見た目もとてもオシャレで、淡泊で柔らかい鶏肉の食感と生姜などの清涼感が印象的。
続いて提供されたのが春巻き。
こちらはは味噌ダレ風味に仕上げられており、提供直後は餡がアツアツ。
パリっとした食感と甘辛い味噌ダレの風味が食欲をそそる。
ここで一旦お椀ものが提供された。
鶏肉ワンタンということで、モチモチの食感の皮の中には粗挽きされた鶏肉がたっぷり詰まっており、程よい鶏の油加減と生姜の風味が良い感じマッチ。
鶏だしの効いたスープもあっという間に飲み干してしまう。
早くも日本酒が空いてしまったので「山形政宗」を頂くことにした。
先に頂いた白龍同様にジューシーで旨味や甘味の味わいが強め。
食中酒としても、お酒だけでも楽しめる。
そしていよいよ焼き物の提供が始まった。
こちらは伊達鶏の焼き物。
串に刺して焼き上げたものを綺麗にお皿に盛り直して提供するスタイル。
パリッと仕上げられた皮とジューシーな身の食感のコントラストが秀逸。
また、焼き鳥だと出来ない白髪ねぎのトッピングも見た目のアクセントになっている。
続けて茄子と獅子唐の煮びたしが提供された。
さっぱりとした獅子唐とジューシーな旨味のナスが鶏の脂感を一掃して次の料理のために舌を整えてくれる。
鶏肉の次は国産鴨肉のローストが提供された。
こちらは程よく火が通された状態で、粗塩とワサビで頂くスタイル。
鴨風味をしっかりと味わうため、少しだけ塩を付けて頂いた。
続いてはつくねが提供された。
つくねと言うと串に刺さったものや、一品料理で提供される場合は皿に盛っての提供というのが一般的だが、こちらのつくねはかなり独創的。
もなかの皮に丸い一口サイズのつくねが乗せられ、その上に黄身状のペーストを乗せるというオシャレなもの。
つくねの味わいともなかの皮の食感、黄身のペーストの甘みがマッチしてとても美味。
続いては野菜の焼き物。
北海道産の焼きトウモロコシということで、軽く醤油の味わいを感じられるもので、箸で食べてもトウモロコシの身がスッと取れ、ストレスなく綺麗に頂けた。
トウモロコシはどうしても手を使って食べることもあってか、トウモロコシを食べた後にサッとおしぼりを新しくものに交換して頂けるのもこういった職人の目が行き届くお店ならでは。
続いては鳥皮と酢味噌のあえ物が提供された。
程よい酢味噌の刺激と、パリッと香ばしく焼き上げられた鶏皮の味わいは日本酒がすすむ。
こちらは伊達鶏のやげん軟骨。
やげん軟骨というと、その部分だが小さく切り取られ串にささった焼鳥を想像してしまうが、こちらはヤゲン軟骨と横隔膜の部分をワイルドに焼き上げた鳥焼き料理。
しっかりと塩で味付けされており、やげん軟骨の独特のコリコリ感と、横隔膜の部分の程よく締まった食感の対比を一度に味わえる。
続いては箸休めのトマトピューレ。
コンソメの味わいとトマトの風味のコントラストが印象的。
スッキリとしておりまさに箸休めの一品。
箸休めで口の中がスッキリした後に提供されたのが伊達鶏の手羽揚げ。
カレー系の味わいが印象的でサクサクカリカリに仕上げられている。
こちらも焼鳥店で頂く料理とはちょっと異なり、鳥焼きのお店ならではの発想という味わいだった。
また、こちらの料理も手を使って頂く料理なので、食べ終わったタイミングでおしぼりを新しものに交換して頂ける。
そして次に提供されたのが伊達鶏の砂肝。
砂肝というと、砂肝そのものが串にささったものという印象が強いが、こちらは飾り包丁で見た目もキレイに仕上げたもの。
その飾り包丁の影響もあってか、普段焼鳥として頂く砂肝のコリコリっとした食感というより、ジュワっとしたジューシーな味わいと共に食感もそこまでコリコリとしておらず新しいタイプの砂肝を頂いたというイメージ。
ここでまた野菜焼きが提供された。
紅はるかの焼きいもということで、表面が少し焦げてカリカリに仕上げているが中はホクホク。
サツマイモの甘味がとても強調され、「焼きいも」という料理の概念を覆されたような味わい。
ここで日本酒がなくなったので最後に「廣戸川 特別純米」をオーダー。
料理もたくさん頂き、お腹が満たされてきたタイミングということもあって、これまでに頂いた2種類よりも少し飲みやすくボリューム感抑え目ですっきりとした味わいなのでリラックスして日本酒を楽しめる。
そして最後の鶏料理。
いわゆる鶏モモ肉の焼鳥だが、こちらも一度串にさして焼いたものを改めて串を外してお皿に盛りなおして提供。
串に刺した状態の焼鳥だと出来ないような盛り付けや見せ方が新鮮。
山椒、マスタード等で味付けして頂くことも出来るが、パリッと仕上げられた皮やジューシーな鶏肉の旨味を楽しむためにそのままで頂いた。
なお、山椒はかなりピリッとしているものの舌が単に痺れるような辛さではなく比較的すっきりとした後味。
三種類あったもの中では一番好きな味だったが、少しだけ付けても鶏肉の味わいに勝ってしまう気がした。
併せて提供されたのがオクラとモロヘイヤの箸休め。
油感のある鶏肉を頂いた後に、モロヘイヤとオクラの粘り気を軽くダシで整えたこちらの料理は口の中をすっきりと洗い流してくれる。
そして締めのお食事。
焼きおにぎりと鶏ガラスープで頂くお茶漬け。
最初の一口は焼きおにぎりだけで。
焼きおにぎりに香ばしい醤油の風味とほんのり鶏の脂の香りが付いていて外はカリカリ中はふっくらの食感が印象的。
甘味として鶏肉を使った自家製鶏生ハムとメロンのかき氷。
鶏生ハムはスライスされたものではなくさいの目状にカットされたもの。
同じサイズでメロンもカットされており生ハムとメロンのどちらを食べているのかが時々わからなくなるトリッキーな甘味。
<まとめ>
トータルで19品提供、それを1時間半程度かけて頂いたということもあるが、それを割り引いても十分にお腹を満たしてくれるボリューム感であった。
また、いわゆる焼鳥のように串にさして提供する鶏料理ではなく、手羽先の唐揚げやヤゲン軟骨焼き等の一品ものであったり、一旦串にさして焼いたものを串から外してさらに盛り付けて提供するものがあったりと、焼鳥と鶏肉一品料理を融合させたまさに「鳥焼き」のコースは見た目も味も秀逸。
また、クオリティーで12800円という金額は、いわゆる「それなりの金額出せばこれくらいのレベルの味わいの料理や品数は出る」という感覚を超越したお得感も十二分にある。
ただ、コースでの提供ということと2部制ということもあってか、食事をしながらゆったりと会話やお酒を楽しんでいると次の料理がテンポ良く出てくることもあって、周辺の同時刻帯に入った客の様子を見ながら食事のペースを合わせる必要があるのが気になったところ。
また、人気店なので一見さんの場合は予約がとても取りずらいのも辛いところではあった。
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