Passo Doble 2008(マァジ)


購入場所:信濃屋
購入金額:2380円

コメント
2000円超でガッツリ目で高級感がある赤、というリクエストで探してくれた一本。
造り手はイタリアで有名なマァジだが、栽培地がアルゼンチンということもあり、やはりブドウはマルベックを主体に造られている。

色は濃厚な朱色で、反対側が見えない。
若いビンテージのわりには、輝きの要素が少なく、むしろ落ち着いた重厚さを感じる。

香りは濃厚で落ち着きのある干しブドウやラムのような甘い香りを感じる。
少し空気に馴染ませると、メルローのような果実感のある香りと、最後にはスパイシーさも合わせて感じる。
香りに繊細な複雑さは無いが、複数の要素がそれぞれ強く主張しておりとてもユニークな印象を受けた。

口に含むと濃厚でパンチがあるが、甘味もしっかりと感じられる。
その甘味は、プラムやプルーンのジャムのような濃厚さと酸味を伴う果実感を合わせて感じられる。
余韻はすっきりとしており安く販売されているニューワールド系の造られたくどい甘さは全く感じない。

酸味は、最初は甘味を引き立てる程度の軽い発泡的なものだが、少しするとスパイス感も感じ、この部分で最初の甘味のアタックをしっかり洗い流している。
余韻では酸味は消え、スパイスの要素が渋みと調和している。

渋みもニューワールドのものから想像すると、とても控えめな仕上がり。
だが、トータルで見るとスパイス感と共に感じる軽めの渋みは、全体を引き締めて、かつ、そこまでくどさを残さない仕上がりになっている。
個人的には物足りないが、バランス感から考えると、ちょうど良いのかもしれない。

イタリアの造り手が独特の製法であるアパッシメント(半乾燥)と、リパッソ(二次発酵)を用いてアルゼンチンで造っているワイン。
恐らく、そういうものに起因して、ニューワールド的要素が若干薄まっているのかもしれない。
ニューワールドのものとして飲むと、若干違和感を感じるが、トータル的に見ると面白いかもしれない。

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