山梨甲州 2008(勝沼醸造)


購入場所:いちやまマート
購入金額:2940円

コメント
山中湖に行った際の「山梨縛り」で山梨ワインを探していた時に偶然見つけた1本。
ラベルを読んでみるとどうやら限定2000本醸造とのことで、3000円弱と少々高かったが、「山梨縛りだから」という理由で買ってみた。

色は薄めではあるが、とても繊細で輝きがある。
僅かにサーモンピンクのようなニュアンスも感じるが、トータル的には軽く緑がかったとても薄い琥珀色。

そのキレイな液体を口に含むと、最初に爽やかなシトラスのような柑橘系の酸味が鼻に飛び込んでくる。
その後に、どっしりとボリュームのある甘さを感じる。
その香りには豊かな果実感も合わせて感じ、甘さと酸味のバランスが良い。
抜栓直後にしては、しっかりとした香りを感じる。

実際に口に含むと、一口目にとてもフレッシュな果実感を感じる。
香りの印象とは若干異なり、マイルドで甘味が豊かな香りに比べて、果実感はシャープでキリっとした感じ。
この果実感、一言で言うならレモンやグレープフルーツのような酸味を伴うが、キツさは全く無く果実感の邪魔をしない。
また、口の中で温度が上がると、酸味が丸みのある甘味へと変化するのも面白い。

口に含んでから暫くすると感じる酸味は、一言で言ってしまえば攻撃的でシャープ。
ただ、単にシャープなだけでなく、キレもよく、また、温度が変わる事によって感じる甘味が良い影響を与え、キツい酸味になっていないところが良い。
とは言え、人によってはこのシャープさが辛口過ぎると感じる人もいるかも知れない。
料理を選びそうではあるが、個人的には嫌いではない味わいであった。

酸味と共に余韻で感じる苦みは、比較的強めの部類に入ると思う。
甘味・酸味等、全て味わいが落ち着いた後も暫くその存在感を感じさせるこの渋みは、比較的弱めの印象で終わりかけてしまうところをしっかりと締めて、全体としての存在感のアピールに一役買っている。
但し、これも酸味同様に、好き嫌いはあるかも知れない。

限定2000本醸造という事で買ってみたが、確かに特徴的な味わいであった事には間違いない。
ただ、一言で言ってしまえば「飲み手と食事を選ぶ1本」のような感じがする。
個人的には、すっきりとした飲み口とキリっとした後味は嫌いではない。
ただ、3000円という価格とのバランスについては、干首をかしげてはしまう。
いずれにしても、甘くもフルーティーにもシャープにも仕上げられる甲州種の懐の広さを改めて思い知らされる1本である事には間違いない。

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