フィリピン航空ビジネスクラス マニラ国際空港~成田国際空港 PR432便 A333=シート・設備編= (2018/10)



(2018/10/09記載)
※本レビューは「シート・設備編」と「機内食・ワイン編」に分けて掲載します。

2018年10月初旬、所用でフィリピンに行く際に利用した。
成田~フィリピン間は4時間少々の距離、またコスト重視のフィリピン航空という事もあったので、往路はエコノミー・復路はビジネスクラスを利用してそれぞれのシート等を比較する事にした。


こちらは復路に利用するA330-300。
成田~マニラ線は現在全てA330-300での運行との事。

搭乗後、席に着いてしばらくするとまずはウェルカムドリンクが提供される。


オレンジジュースや水などのソフトドリンクのみの提供となる。


そしてその後、離陸前にアメニティーとしてスリッパと歯ブラシが配られる。
両方ともバラでむき出しのまま提供されるのが、短距離線なので致し方なし。

以前まではビジネスクラスと言えどもなかなか旧式なシートが導入されていたようで、シートはフルフラットになるもののフルフラットにすると左右の席に高低差をつけてつま先でクロスするタイプ。
イメージとしては日本航空のスカイスイート3に近いが、それよりも高低差があり、さらにはシート配列も2-2-2であったよう。
つまり、窓側席の場合は通路側の座席を跨がないと通路に出られない仕組みになっていて、なかなかクセのあるビジネスクラスのシートという評判であった。


一方、こちらが今回利用した機体のビジネスクラス。
座席配列は1-2-1のスタッガード。
A330-300と機体幅がそれなりにある機体で1-2-1のスタッガードという事もあって、シートの幅は非常に広い印象を受ける。


こちらが今回アサインされた2K。
スタッガード配列なので、窓側のソロシートでも座席が窓側の席と通路側の席がある。


こちらは座席が通路側にあるソロシート。
サイドテーブルが非常に大きいこともあり、ソロシートとは言えども窓からの距離はかなりあり、その分座席のすぐ横が通路になっている。


こちらは足元の様子。
かなり奥行があり、フルフラットにしたときに足が乗る部分は柔らかめの素材で作られている。
また、写真ではわかりにくいかも知れないが、オットマンの部分にかけて床が少し斜めに作られている。
乗った時にはその意味が分からなかったが、座席をリラックスモードにして、さらにフットレストを上げるとこの部分に丁度足の裏がつくようになっている。
他航空会社のビジネスクラスでフットレストを上げた際に足首から先ブラブラして落ち着かない事もあったが、この斜めに設定された床のおかげで実にしっくりと寛ぐことが出来る。


シートピッチは窓2つ分のように見えるが、実際には足元のスペースがかなり前席までせり出しているので、実質窓3枚分程度はある。
また、シートを見るとわかるように、シートベルトには自動車と同じ三点式のものが採用されている。
離着陸時は留め金の部分をそのまま引き出し、腰の部分にあるバックルに差し込む。
離陸後は金具を外して通常のシートベルトのように使う事が出来る。

ダイニングテーブルはサイドテーブルからスライドさせて準備するタイプ。


まずはこちらのボタンを押す。


するとサイドテーブルの中からダイニングテーブルが出てくる。


それをそのまま座席側に引き出す。


自分の前まで引き出せば準備完了。
なお、ダイニングテーブルはある程度前後にスライド可能なので、シートポジションに合わせて調整することも可能。
また、ヒンジが付いているので座席から出入りする際はテーブルを垂直に跳ね上げてシートから出入りが出来る。

さて、座席の設備だが、最新式だけあってそれなりに充実している。


操作系は基本的にはこちらに集約されている。


こちらは一番左側に設定されているI/O系。
左側がインターナショナルタイプのコンセントで、その横にはヘッドホンジャックとUSBコネクタ。


その横にあるのがコントローラー。


こちらは引き出すことができ、液晶表示は無いが音量調整・照明スイッチ・CA呼び出しボタン等、基本的な機能が備わっている。


裏返すと十字キーの付いたコントローラーになっている。


そしてその横には読書灯が設定されている。
ライトの上部にスイッチを押すことで三段階に明るさを調整出来る。


こちらはシートの操作系スイッチ。
アップライト・リラックス・ベッドの3つのポジションボタンとフットレストのスイッチだけどかなりシンプルな造り。
なお、シートポジションをリラックスモードにすると座席の背もたれが下がるだけでなく前方にスライドするタイプ。


また、座席のひじ掛け部分にもいくつかスイッチが設定されている。
ベッドモードにした状態の時に押しやすいように配慮されている。


ヘッドホンはノイズキャンセリング機能付きのものが置かれている。
オシャレに梱包されており、一瞬アメニティーなのかと間違ってしまう程であった。


こちらはフルフラットにした状態。
カタール航空のB777系のシートとは異なり、頭と足の高低差はなく座席は水平な状態になる。
また、写真ではわかりにくいが意外と奥行があり、175センチ程度の人であれば全く問題なく寝ることが出来る。
つま先部分は若干狭い感じもしなくは無いが、幅・高さともにしっかりと確保されており窮屈感は感じられない。


こちらは足元部分を撮ったもの。
見た目以上に奥行があるのが分かる。


個人用ディスプレイは20インチ強。
日本航空のスカイスイートとは異なり、座席からテレビまでの距離が比較的近いこともあって、タッチパネル仕様になっている。

こちらの機体はスタッガード配列という事もあり、それぞれの座席に若干癖があり、それを把握しておくとチェックインの際にスムーズに希望の席が指定出来る。
まずソロシートだが、偶数列が窓側にシートがあるタイプで奇数列が通路側にシートがあるタイプになっている。
また、5列目は中央席の部分がストレージになっており、かつ後ろがプレミアムエコノミーになっているため、離陸後はカーテンも閉まるのである意味プライベート感は一番ある席かもしれない。
但し、奇数列なので座席は通路側の設定となっている。

さて中央の2席だが、こちらは偶数列のG席と奇数列のD席が通路側に座席が設定されているタイプ。


手前側の席が偶数列のG席。
通路側に座席が設定されている。


こちらの手前側の席が奇数席のG席。
機体中央部側に座席が設定されている。


この席を後ろから見るとこのような感じ。
個人用ディスプレイも機体中央寄りに配置されており、大型のサイドテーブルのおかげで通路側からは少し距離があるが見て取れる。

移動人数によってどのタイプが良いかは好みだが、一人での移動であれば個人的にはプライベート感のより高い窓側のソロシート(偶数列)が一番オススメではある。
また、トイレは機体前方部分にあるので、座席が通路側の設定であることが気にならなければ5列目のソロシートもそれなりにオススメ。
複数名の移動であれば機体中央部の2席であれば基本的にはどのシートでも変わらないが、座席が機体中央側に設定されている奇数列のG席と偶数列のD席がオススメではある。

シートピッチ・シート幅・隣席とのプライバシー確保ともに非常に完成度の高いシートで、4時間程度の移動に使うにはもったいない程、出来が良く過ごしやすいシートであった。

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