Bodega Norton Reserva 2008(ボデガ ノートン)


購入場所:エノテカ
購入金額:1950円

コメント
お手軽なお値段でパワフルな飲みごたえのある赤、というリクエストで店員さんが選んでくれた1本。

色は濃厚な赤紫。
どちらかと言うと黒に近い。
反対側は全く見えず、煮詰めたインクのような濃さ。

重く濃厚な香りがジワリジワリと辺りに広がる。
黒い果実感を思わせるよう香りには、濃厚でねっとりとした甘味も合わせて感じる。
僅かにスパイスのニュアンスも感じるが、若めのビンテージに多い鼻にくるアルコールの刺激的な香りは全く無い。
若干メルローのような香りも感じるが、概して複雑感よりストレートパンチの感じが強い。

口に含むとカベルネとは思えない甘さが広がる。
その甘さは強烈なアタックと共に口全体にあっという間に広がる。
カベルネらしさよりもメルローやマルベックと言った、丸みのある果実感が豊かな品種の特徴が良く出ている。
後半にはカシスの爽やかさ、プラムのボリュームある果実感を感じる。
抜栓後1時間経過しているが、落ち着くまでもう少し待った方が良いかもしれない。

酸味はそこまで強くはないが、スパイス感と合わせて中盤からしっかりと感じられる。
最初の甘味を伴う果実感と余韻の渋みに負け気味なのでそこまで強い主張をしないが、他の要素がこれだけ強いと酸味が少し引いた方が全体のバランスは良くなる気がする。

一方の渋みは「パワフル」の一言。
カベルネを口一杯に感じさせてくれる渋み。
しかし、ここまでパワフルでありながらザラつき感も少なく、非常にバランスが良い。
ただ、この渋みは間違いなく好き嫌いが出るところ。
樽のニュアンスも含めて、個人的には好きな部類ではある。

抜栓後1時間半程度の状態の感想だが、それでもまだ全ての要素が違う方向で主張してまとまり感が無い。
3時間後位からようやく飲めるようになってくると思うが、それにしてもアルゼンチンらしく全ての要素が際立って強い。
南米のニューワールドは比較的この系統が多いがその中でも特にやんちゃっぷりを発揮している。

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